鎌倉の名数
私達の生活では何かを集めてまとめることが多くあります。四大文明、百名水、七不思議などといったように。 日本ではこうした数詞を用いた表現を名数と呼び、古くから伝えてきました。 鎌倉の史跡にも、こうした名数で呼ばれるものが数多くあります。 鎌倉七口・鎌倉十橋・鎌倉五水・鎌倉十井などの名称を見ることが出来ます。
名数 説明 場所
鎌倉五山 五山は、禅宗で最高の格ずけをされた五大寺です。鎌倉時代に北条氏が中国の五山制度にならって鎌倉の禅寺に設け、室町時代には鎌倉と京都それぞれに設置されました。その後、幾度か改定されましたが、1386(至徳3,元中3)年、足利義満により、現在の鎌倉五山、京五山の順位が定められました。ちなみに、京五山は天竜寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺の順です。 鎌倉五山
・鎌倉五山第一位:建長寺
・鎌倉五山第二位:円覚寺
・鎌倉五山第三位:寿福寺
・鎌倉五山第四位:浄智寺
・鎌倉五山第五位:浄妙寺


   鎌倉五山めぐり
鎌倉七口 鎌倉は三方を山で囲まれた攻めにくく守りやすい天然の要塞都市でした。鎌倉と他の地域との往来は、山峡を越えるか切通しを経なければならなかったのです。切通しは鎌倉防塞の上で重要な役割を果たしていました。その七つの切り通しを「鎌倉七切り通し」「鎌倉七口」と呼ぶようになったそうです 名越切通し 
朝比奈切通し
巨福呂坂切通し
亀谷坂切通し
化粧坂切通し
大仏坂切通し
極楽寺切通し
-七口以外-
釈迦堂切通し


   鎌倉古道めぐり
鎌倉十井 鎌倉は三方が山に囲まれているにもかかわらず、水質は悪い土地と言われてきました。そのため井戸は、非常に貴重な存在であり珍重されました。江戸時代中期以降、中でも良質の水を出す十の井戸を「鎌倉十井」と呼ぶようになったそうです。 ・甘露ノ井 (浄智寺
・扇ノ井
・鉄ノ井
・星ノ井(極楽寺切通し
・瓶ノ井 (明月院
・泉ノ井 (泉ヶ谷)
・銚子ノ井 (名越
・六角ノ井 (飯島)
・底脱ノ井 (海蔵寺
鎌倉十橋 鎌倉は三方の山より凝灰岩の地層から豊富な湧き水がでるため、滑川水系を中心に小河川が流れ、多くの橋が架けられました。そのうち十の橋を「鎌倉十橋」呼ぶようになったそうです
・十王堂橋
・裁許橋 (今小路)
・逆川橋
・夷堂橋 (本覚寺門前)
・歌ノ橋 (金沢街道)
・勝ノ橋 (寿福寺門前)
・琵琶橋 (下馬四ツ角)
・乱橋
・筋違橋
・針磨橋
鎌倉五名水

鎌倉の湧水の中で、特に美味しいとされた五つの名水。鎌倉が観光地化した江戸時代に作られたようです。

梶原太刀洗水(十二所))
甘露水(浄智寺)
・金龍水(今はなし)
銭洗水(銭洗弁天)
・日蓮乞水(大町)
・不老水(鎌倉学園ネット裏)
鎌倉七福神 七福神の「七」は、仁王般若経の「七難即滅、七福即生」の出典によるものといわれています。中世室町時代に、町衆の生活の中で現世の利益にあやかりたいという民間信仰が高まってきた頃、「七」の聖数の合わせて、インド・中国・日本の仏教・道教・神道に起源を持つ神仏七体をグループとして七福神が成立しました。これらの福神を巡拝するとご利益がもたらされるとして、江戸時代中期に正月の行事として七福神めぐりが一般化され、各地に広まったようです 鎌倉の七福神

・寿老人(妙隆寺))
・弁財天(鶴岡八幡宮
・大黒天(長谷寺
・布袋尊(浄智寺
・毘沙門天(宝戒寺
・夷神(本覚寺
・福禄寿(御霊神社

 鎌倉七福神めぐり


鎌倉三十三観音 鎌倉三十三観音の巡礼の札所です。観音三十三という数は「三十三身応現」すなわち観音さまが三十三通りに身を変えて、我々を救われるという数字なのだそうです 01番杉本寺・十一面観音
02番宝戒寺・准胝観音
03番安養院・千手観音
04番長谷寺・十一面観音

05番来迎寺・如意輪観音
06番瑞泉寺・千手観音
07番光触寺・聖観音
08番明王院・十一面観音
09番浄妙寺・聖観音
10番報国寺・聖観音
11番延命寺・聖観音
12番教恩寺・聖観音
13番別願寺・魚藍観音
14番来迎寺・聖観音
15番向福寺・聖観音
16番九品寺・聖観音

17番補陀洛寺・十一面観音
18番光明寺・如意輪観音

19番光明寺・蓮乗院・十一面観音
20番光明寺・千手院・千手観音
21番成就院・聖観音
22番極楽寺・如意輪観音
23番高徳院・聖観音

24番寿福寺・十一面観音
25番浄光明寺・千手観音
26番海蔵寺・十一面観音
27番建長寺・妙高院・聖観音
28番建長寺・千手観音

29番建長寺・龍峰院・聖観音
30番明月院・如意輪観音
31番浄智寺・聖観音
32番東慶寺・聖観音
33番円覚寺・仏日庵・十一面観音
鎌倉二十四地蔵尊 鎌倉の二十四の地蔵尊を巡礼する札所です

01番・宝戒寺・唐仏地蔵
02番・来迎寺、報恩寺・巖上地蔵
03番・覚園寺・黒地蔵、火焼地蔵
04番・杉本寺・石造身代地蔵
05番・光触寺・石造塩嘗地蔵
06番・杉本寺
07番・瑞泉寺・どこもく地蔵
08番・円応寺・閻魔
09番・建長寺・心平寺地蔵
10番・建長寺・斎田、身代地蔵
11番・建長寺・勝上獄地蔵
12番・浄智寺
13番・円覚寺・正続院
14番・円覚寺・矢柄地蔵(焼失)
15番・岩舟地蔵・岩舟地蔵
16番・浄光明寺・石造網引地蔵
17番・浄光明寺・矢拾地蔵
18番・寿福寺
19番・東漸寺・日金地蔵
20番・極楽寺
21番・極楽寺・月影地蔵
22番・光明寺・石造延命地蔵
23番・延命寺・身代、裸、前出地蔵
24番・安養院・石造日限地蔵